ミサイルの「破壊措置命令」発令
政府は27日午前に国会内で安全保障会議を開き、
北朝鮮が「人工衛星」という名目で発射した長距離弾道ミサイルが
日本の領土・領海に落下する事態に備えて、
ミサイル防衛(MD)システムで迎撃する方針を決めた。
これを受け、浜田靖一防衛相が自衛隊法82条2の第3項に基づいて、
「破壊措置命令」を自衛隊に発令した。
破壊命令発令は、弾道ミサイルの迎撃手続きが平成17年に自衛隊法に明記されて以来、
初めての適用となる。
ミサイルは北朝鮮が国際機関に通告した通りのルートを通れば、秋田、岩手両県の上空を通過する予定。
ただし、発射失敗で予定軌道を外れてミサイル本体やブースターが日本に落下することも想定されるため、
あらかじめ破壊措置を命令し、事態の急変に備えるのが目的だと思われる。
命令を受けて、海上自衛隊は海上配備型迎撃ミサイル(SM3)を搭載した
イージス艦「こんごう」「ちょうかい」(いずれも長崎県・佐世保基地)を日本海に展開。
航空自衛隊は浜松基地(静岡県)の高射教導隊に配備した地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を
陸上自衛隊秋田、岩手両駐屯地に移動させる。
また、首都圏警戒のため防衛省庁舎のある、
陸自市ケ谷駐屯地(東京都)や朝霞(埼玉県)、習志野(千葉県)両駐屯地に発射機を展開させる。
ミサイルが日本に落下する可能性が高まった場合、
防衛省は19年3月に閣議決定した「緊急対処要領」に基づいて、
消防庁や警察庁などの関係機関などに落下予想時刻や場所を直ちに通過する場合のみ、
空自航空総隊司令官が対処要領に基づき、部隊に迎撃を命じる。
ミサイルが北朝鮮の通告通り日本上空を通過する場合は、迎撃を見送る方針。
以上。